in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社どん 代表取締役社長 南 慎一郎氏登場。
「人に動かされる人間ではなく、人を動かす人間になりたい」
きっかけは、ホテルマンを描いた一冊の本だった。その本に南は引き寄せられる。就職活動の最中だった。「それで、単純にホテルマンになろうと思って」。ホテルを受け、内定までもらうが、その後、調べていくうちに思い描いていたことと現実の違いに気づき始める。「ホテルの場合、下積みがかなり長いんです。いろいろな職種を経験しなければなりませんから。これはちょっと主人公のようになるにはたいへんだな、と。それで、ほかに同じ可能性があるような仕事はないだろうか、と探し始めたんです。4年生最後の年が明け、卒業まであと少しの頃です」。ここで少し説明がいるかもしれない。南が大学を卒業した1980年は、外食産業の黎明期だった。チェーンオペレーションという言葉が使われだしたのもこの頃。「外食産業」という言葉も一般化し、飲食業が一つの産業と認知されつつあった時代でもある。その産業の先頭を走っていたのが、ファミリーレストランである。しかし、就職先としてはまだまだ敬遠されていた。そのため慢性的な人不足に陥っていた。「一人でも多くの学生を採用したい」と人事担当者はシャカリキになっていたはず。南は、関西で有名なファミリーレストラン「サト」の扉を叩くのだが、もちろん即合格の判定が出た。「外食産業がこれから伸びそうだ」と気づき、「人に動かされる人間ではなく、人を動かす人間になりたい」と考えていた南にとっては朗報以外何者でもなかった。・・・。
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