in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に Musubu Dining(ムスブダイニング)株式会社 代表取締役社長 岡本勇一氏登場。
退職。そして、ふたたび。
もう戦う姿を見せられない。岡本が、退職を決意したのは、2010年12月のことである。「障害を持っていた娘が亡くなったんです。それまで私の原動力だったものがなくなってしまいました」。自ら作り上げた戦う集団のなかにあって、戦う意味を失くしてしまった岡本は、潔く身を引くことを決意するのである。翌年4月、何度も引き留められたが、ついに同社を辞した。
しかし、この決断は、違う戦いの始まりだった気もする。何かが、岡本の背中を押し続けた。「未来の子供たちが安心して暮らせる社会にすること。弱い人が平等に暮らせるような社会にすること。未来の子供たちに自信を持って残せるブランドをつくりたいと思った」と岡本は語る。それを気づかせてくれたのは、いうまでもなく一人の尊い命だった。
「人類のなかで飢餓に苦しんでいる人は、現在9億6300万人にのぼると言われています。もちろん紛争や政治などさまざまな問題があるのは分かっていますが、先進国では食べ物が余っているのに、途上国では食べるものがないという現実もあるわけです。これは、先進国が肉中心の食生活を送っているからなんです。たとえば牛肉100gを作るのに、どれだけの穀物がいると思いますか?」。
答えられないインタビュワーに、岡本は笑いかける。「1kgです。単純な計算ですが、先進国が仮に10%牛肉の消費を抑えれば、10倍の穀物が途上国の人々の口に入ることになるんです」。示唆に富んだ話だった。「食」の観点から人類が抱える一つの問題点が浮き彫りにされた気がする。しかし、単純にそれを訴えても、そう簡単に先進国は手に入れた権利を放棄しないだろう。誤解を恐れずにいえば、資本主義は、弱肉強食のうえに成り立っているといえるからだ。もっといえば、人の欲望はそう簡単にリセットされることはないからだ。
しかし、岡本は、一つの解決策まで示してくれた。それが、100%大豆から作る「MANA BUGER」だ。「食べてみてこれを大豆だと思う人はまずいません」と岡本。もともと自然を愛しHawaiiに移住して暮らしていた料理研究家が開発した加工方法だそうだ。「ヘルシー志向でしょ。そういう意味でも大豆100%の無添加バーガーであるこのMANA BUGERは、それと気づかずに、ヘルシーで美味しい料理を口にすることができるんです」とも。MANA BUGERの流通は地球規模の課題を解決する糸口にもなると、いう。とはいえ、一足飛びにはいかない。・・・・。
Musubu Dining(ムスブダイニング)株式会社 代表取締役社長 岡本勇一氏
(社長記事やグルメ情報など飲食の情報はキイストンメディアPR事業部まで)
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