in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に有限会社鶏冠菜 代表取締役社長 池田健一氏登場。
住職か、商売人か。
熊本県八代市で生まれる。だが、八代市の記憶はあまりない。物心がつく前に横浜に引っ越しているからだ。
それでも、強烈な印象はある。八代市に住んでいた祖父のことである。「祖父は住職だったんです。小学校に上がってからも、母に連れられ何度か祖父のところに行きましたから、より印象が強いのかもしれません」。
「どんな総祖父かって? まちがいなく、こわい祖父でした(笑)」。ただし、こわくても、それがあたりまえだと思っていた。祖父とは、そういうもんだと思い込んでいたからである。
「いつか祖父の跡をついで住職になる」、そういう風にも思っていたらしい。当時、祖父から言われたことがある。小学校に上がるか上がらないかぐらいの時。
孫に向かって祖父は、言葉の意味を考えろと前置きし、こう言った。
「自我をなくせば、宇宙は自我になる」。
意味がわかるはずもない、この禅問答のような言葉に少年は耳も、心も傾けた。そして、必死に考えた。むろん、いまだ、その意味することはわからない。それでも「考えること」を少年に植え付けたのは、この一言だったに違いない。
そのことがあったからか、思考にふけることも多く、とにかく「かわった少年」だったそうだ。「教室でも1人でボンヤリ窓の外を観てものを考えているような少年でした。生死観といえばオーバーですが、祖父の影響もあって、そういうことを考えていました」。
ただし、ただの哲学少年ではなかったようだ。
住職になる。その一方で、商売にも興味を持っていた。親戚が全員商売をしていた。その影響もあった。早く仕事をして、金を稼ぎたいとも思っていた。のちに池田は親戚のなかで唯一のサラリーマン経験者となるのだが、これはもう少し先の話である。ともかく住職か、商売人か。この二者択一のなかで、池田は思考は膨らんでいく。・・・。
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