2014年2月4日火曜日

有限会社もうやんカレー 代表取締役 辻 智太郎氏登場。

in-職(いんしょく)ハイパー“飲食の戦士たち”有限会社もうやんカレー 代表取締役 辻 智太郎氏登場。
本文より~

倍率0.7倍の高校に進学。

スポーツはできた。父、同様、格闘技もやった。からだも元気で、活発な少年だった。反面、勉強が大の苦手。成績もふるわず、中学を卒業する段になって調べてみると、いける高校もなかった。もうやん本人も、「高校には行かないつもりだった」そうである。
「お金がないから、私立は無理、都立なら行けましたが、今度は点数がたらない。もういいや、と思っていたんですが、倍率0.7倍という奇跡的な数字を叩き出した、救世主のような高校があったんです。受験すれば、合格です。ただ、東京は東京でも、『大島』。ほとんどの生徒が島民で、こちらから行く人間は、限られていました(笑)」。
「父がみつけてきた」と、もうやんはいう。「大島」の高校とはいえ、卒業すれば少なくとも「高卒」の肩書きがつく。中卒と高卒では、雲泥の差がある。それもまた社会というものだ。もうやんの父親もこの現実を危惧され、入学できる高校を探されたのだろう。
しかし、大島は、はるか南の端。もうやんは、どんな気持ちで、海を渡ったのだろうか。ともあれ、親許を離れての独り暮らしがスタートする。

リゾート気分、満開。

真っ青な空、コバルトブルーの海。サンゴ礁に、色鮮やかな魚たち。
高校1年生。考えてみれば、これほどリゾートちっくな高校もないだろう。もうやんが暮らす、寮の窓の外にはコバルトブルーの太平洋が広がっていたそうだ。
「高校、3年間、たいへん貴重な経験を積ませていただきました」ともうやん。
たしかに、都内の高校では体験できないことばかり。ネオンの代わりに無数の星、潮騒、潮の香り、満天に広がる青空。そういった自然にふれることができた。
もっとリアルな、自然にもふれた。
「農業高校なんです。敷地はむろん都内随一です。でも、開墾もされていないジャングルも含めて、学校です。ユンボやブルドーザーやトラクターで開墾したり、農薬や除草剤をなるべく使わず、野菜果物をつくったり…。収穫の時期がいちばんの楽しみでした。一方、畜産も経験しました。子ブタの睾丸を取り出して、煮っ転がしにして食べるんです。そうするほうが豚の成長にいいんですが、睾丸を獲るときに、『ピー』って、島中に聞こえるような大きな声で啼くんです。あれは、忘れられません」。
鶏もしめた。食べるということを、食材の生産段階から知ったのはこの時である。
ただ、将来、「食」の仕事に就くとはまだ思っていなかったそうだ。
もうやんは、この3年間でさらにたくましくなり、ちょっぴりだが、学力も上がった。高校卒業時には、なんとか大学進学も狙える成績になっていた。・・・続き
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