本文より~
伊豆の白浜。
父親の実家は、総理にもなった故橋本龍太郎氏の実家と隣同士だったそう。「ひいじぃちゃんは竜太郎さんのお父さんと一緒に貴族議員になったそうです」。それで「いまでも橋本家とはご縁がある」という。今回、ご登場いただいた株式会社TonTonの代表取締役、今川氏は1985年岡山県倉敷市に生まれる。
小学生時代、何度か転校し、横浜に定住するようになる。スポーツはサッカー。小学生からはじめ、中学3年までつづけている。
面白いのは、高校1年の時の話。名付ければ、「ナンパ大作戦で、仙人に出会う」的な、そんな感じ。
「あれは高校1年の夏休みです。なんもしていないから、暇なんです。で、ともだちと、『ヒッチハイクしねぇか』って話になって。『それなら、静岡駅まで行こう。オレ聞いたんだよ。静岡駅は日本一のナンパスポットらしいんだ』って話が進んで」。
ともだちと2人。町田インターに立ち、「静岡」と書いた画用紙を掲げ、ヒッチハイクするも、スルーの連続。「1時間半やってもダメだったんで、いったん万葉の湯って温泉に寄ってから、どうするかってトボトボ歩いていたら、カーショップのおっちゃんが、『坊主たちどこ行くんだ』って声をかけてくるんです。ヒッチハイク用の画用紙をもっていたからでしょう。それで正直に『ぼくたち、日本一のナンパスポット、静岡駅に行くっす』と答えたら、『ちげぇよ、いま伊豆の白浜がいちばんなんだ』って」。
「作戦変更です。今度は海老名インターまで行って。そしたら、すぐにトラックが止まってくれて。最終的には『伊豆まで行く』っていう、ヘンなおっちゃんに乗せてもらって、無事到着。もっとも、その人はひげが長くって、その人もヘンなんですが、弟さんが、どうも『仙人』なんだそうで、なんかだんだん山のなかまで入っていくし。ちょっとしたサスペンスでした。でも、仙人なんて、うそだと思っているでしょ。ぼくらも、そうだったんですが、なんでか、真実を知りたいっていうか。その人といっしょに道なき道を上り、人間より大きな石を登って。すると、ある時、視界が急に広がって、眼下に小屋が観えるんです。そこは仙人さんの住まいで、民族衣装をきた仙人が、ほんとにでてきました。ぼくらもう、びっくり仰天です」。
車に乗せてくれた兄のほうは、六本木でトゥモローと言われているらしく、弟のほうは、仙人というより、ヒッピー文化を継承している人だった、そうだ。
ともかく、そうして伊豆に流れ着く。目的のナンパは、まだ先の話。「初日は駐車場で、ゴロ寝です。2日目に、いろいろあって、向こうの旅館の息子と知り合って、そいつの旅館で世話になりました。結局、これがきっかけで23歳まで夏になる度、伊豆に行って海の家で仕事をするんです。ぼくの人生にとって、伊豆の白浜は、消すことができない砂浜になりました」。
小学生時代、何度か転校し、横浜に定住するようになる。スポーツはサッカー。小学生からはじめ、中学3年までつづけている。
面白いのは、高校1年の時の話。名付ければ、「ナンパ大作戦で、仙人に出会う」的な、そんな感じ。
「あれは高校1年の夏休みです。なんもしていないから、暇なんです。で、ともだちと、『ヒッチハイクしねぇか』って話になって。『それなら、静岡駅まで行こう。オレ聞いたんだよ。静岡駅は日本一のナンパスポットらしいんだ』って話が進んで」。
ともだちと2人。町田インターに立ち、「静岡」と書いた画用紙を掲げ、ヒッチハイクするも、スルーの連続。「1時間半やってもダメだったんで、いったん万葉の湯って温泉に寄ってから、どうするかってトボトボ歩いていたら、カーショップのおっちゃんが、『坊主たちどこ行くんだ』って声をかけてくるんです。ヒッチハイク用の画用紙をもっていたからでしょう。それで正直に『ぼくたち、日本一のナンパスポット、静岡駅に行くっす』と答えたら、『ちげぇよ、いま伊豆の白浜がいちばんなんだ』って」。
「作戦変更です。今度は海老名インターまで行って。そしたら、すぐにトラックが止まってくれて。最終的には『伊豆まで行く』っていう、ヘンなおっちゃんに乗せてもらって、無事到着。もっとも、その人はひげが長くって、その人もヘンなんですが、弟さんが、どうも『仙人』なんだそうで、なんかだんだん山のなかまで入っていくし。ちょっとしたサスペンスでした。でも、仙人なんて、うそだと思っているでしょ。ぼくらも、そうだったんですが、なんでか、真実を知りたいっていうか。その人といっしょに道なき道を上り、人間より大きな石を登って。すると、ある時、視界が急に広がって、眼下に小屋が観えるんです。そこは仙人さんの住まいで、民族衣装をきた仙人が、ほんとにでてきました。ぼくらもう、びっくり仰天です」。
車に乗せてくれた兄のほうは、六本木でトゥモローと言われているらしく、弟のほうは、仙人というより、ヒッピー文化を継承している人だった、そうだ。
ともかく、そうして伊豆に流れ着く。目的のナンパは、まだ先の話。「初日は駐車場で、ゴロ寝です。2日目に、いろいろあって、向こうの旅館の息子と知り合って、そいつの旅館で世話になりました。結局、これがきっかけで23歳まで夏になる度、伊豆に行って海の家で仕事をするんです。ぼくの人生にとって、伊豆の白浜は、消すことができない砂浜になりました」。
ビジネスなんてちょろい?という素敵な勘違い。
「今まで暮らしていたのは、ホント『小さな村のなかだった』と、伊豆で仕事をするようになって悟ります。白浜というか、海には、いろんな奴がバイトに来るわけで。性格もそうですが、出身も違う。そりゃ、視野が広がります」。
同年代の奴らとも先輩と慕う人にも出会った。海の家のバイトも今川氏に向いていた。売り子で「ナンバー1の記録を持っている」という。なんでも一杯600円のやきそばで、合計180万円という記録をつくったらしい。営業の才覚は、当時から頭一つ抜けていた。
「で、高校を卒業して、ケーブル工事の会社に就職するんですが、9ヵ月で退職。DJの仕事をやったりして」。
実は、高校を卒業したら、先輩たちが立ち上げるクラブに就職する予定だった。しかし、確約されたわけでもなく、結局、話は立ち消えになり、消去法的に就職したのが工事会社。その会社を辞め、DJを始め、こちらは10年つづけている。
「もっとも、一方でスカウトのバイトなども始め、小銭ができたんで、ともだちみんなでお金を出し合って、洋服のブランドを立ち上げたんです。『これを着てクラブに行けばイケてる』って言われるような服です。先輩が経営するセレクトショップのブランドとして販売してもらうんですが、これが、バカあたりで。同い年なんで、みんな、23歳くらいの時だったかな」。
初月から、200~300万円も儲かった。通帳にはみたことのないような数字がならんでいく。「案外、ちょろいじゃん」。そう思っても、まぁ、仕方ない。
「初月からロケットスケート、あれが勘違いの始まりっすね。そして、もう天狗でしょ。10ヵ月くらい経って、それ以上に甘い話が転がりこんできて、のっかっちゃったんです」。
「世話になった先輩を裏切ることになるとは思っていなかった」そうだが、結局、裏切り者のレッテルを貼られる。「それで気づくんです。これは、ちょっとヤバイことをしてしまった、と。それで、ビジネスを立ち上げたともだち5人、全員で抜け出すんです。お金も、ブランドも置いてきちゃいました」。
同年代の奴らとも先輩と慕う人にも出会った。海の家のバイトも今川氏に向いていた。売り子で「ナンバー1の記録を持っている」という。なんでも一杯600円のやきそばで、合計180万円という記録をつくったらしい。営業の才覚は、当時から頭一つ抜けていた。
「で、高校を卒業して、ケーブル工事の会社に就職するんですが、9ヵ月で退職。DJの仕事をやったりして」。
実は、高校を卒業したら、先輩たちが立ち上げるクラブに就職する予定だった。しかし、確約されたわけでもなく、結局、話は立ち消えになり、消去法的に就職したのが工事会社。その会社を辞め、DJを始め、こちらは10年つづけている。
「もっとも、一方でスカウトのバイトなども始め、小銭ができたんで、ともだちみんなでお金を出し合って、洋服のブランドを立ち上げたんです。『これを着てクラブに行けばイケてる』って言われるような服です。先輩が経営するセレクトショップのブランドとして販売してもらうんですが、これが、バカあたりで。同い年なんで、みんな、23歳くらいの時だったかな」。
初月から、200~300万円も儲かった。通帳にはみたことのないような数字がならんでいく。「案外、ちょろいじゃん」。そう思っても、まぁ、仕方ない。
「初月からロケットスケート、あれが勘違いの始まりっすね。そして、もう天狗でしょ。10ヵ月くらい経って、それ以上に甘い話が転がりこんできて、のっかっちゃったんです」。
「世話になった先輩を裏切ることになるとは思っていなかった」そうだが、結局、裏切り者のレッテルを貼られる。「それで気づくんです。これは、ちょっとヤバイことをしてしまった、と。それで、ビジネスを立ち上げたともだち5人、全員で抜け出すんです。お金も、ブランドも置いてきちゃいました」。
・・・続き
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