2020年4月14日火曜日

株式会社ラックバッググループ 代表取締役 斉田教継氏登場。

in-職(いんしょく)ハイパー“飲食の戦士たち”株式会社ラックバッググループ 代表取締役 斉田教継氏登場

本文より~

ドイツ企業で知った、日本人にはない仕事観。

今回ご登場いただいた、ラックバッググループの代表取締役 斉田教継氏。
「学生時代、サマースクールで1ヵ月ですが海外を経験します。その時から就職したら、海外で仕事をしたいと思っていました」。言葉通り、大学を卒業したあと産業機械のメーカーに就職。東南アジアやインドを舞台に仕事を開始する。
「インドはほぼ全土で営業活動しました。その後、ドイツのパッケージング機械の専門商社に転職します。こちらで、私のその後のキャリアに大きく影響する人生観を学びます」。
どういうことでしょう?
「当時から、ドイツと日本は仕事観が、断然異なっていました。たとえば、私が毎日遅くまで残業をしているとドイツ人の経営者が近づいてきて、『何をしている? 早く帰りなさい』っていうんですね。ドライってわけではないんです。『夕方以降は自分の時間なんだから大切にしなさい。会社は一生守ってあげることはできないから。』っていうんです」。
経営者がですか?
「そうです。びっくりしました。今では日本でもそういう経営者が少なくないと思うんですが、当時の日本人は、はたらき蜂だらけ。私もその1人でしたから/笑」。
「ドイツでは、バケーションはしっかりと取ります。それができる『しくみ』があるんです。Aさんが休めば『Aさんの代役をするBさんがいる』みたいな。バケーション時のフォーメーションを数カ月前に計画的に組むんです。でも日本では、お客さんから担当のAさんに電話があって、『バケーションです』なんていうと、へたすりゃ怒られますよね。
日本、とくに飲食は、そういう風なバケーションもそうですが、『人』重視の環境にならないといけないと思っています」。

生存競争と、過剰な労働と。

実は取材の冒頭で斉田氏は、日本と海外の「飲食事情」の違いを説明してくれた。
「海外の都市によっては、街の店舗数が決まっているところもあります。それ以外の参入障壁もあり、飲食店をオープンできるハードルが高いところも多いです。東京は人口当たりの店舗数も世界一で、そのおかげもあり全体のレベルも高く、ミシュランの星の数も世界一多い」。
消費者にとって、飲食店が多いこと自体は悪いことではない。だが、飲食に関わる者からすれば、笑い事ではすまないと斉田氏はいう。
「飲食店が過当競争なんです。競争に負けた飲食店が次々にクローズしていきます」。
たしかに、飲食業界の生存競争は、熾烈である。これも、飲食の生産性を低下させている要因の一つだと、斉田氏。
「そもそも日本のサービス業の生産性は諸外国に比べ低いんです。なかでも『宿泊・飲食』は、特筆ものです」
「長時間労働がはびこっているんですね。にもかかわらず、一部をのぞいて賃金が低い、当然、休みも少ない」。
「それでも飲食で働いている人は、みんなピュアに飲食が好きだから頑張っているんですね。これって、なんとかしないといけないことだと思いませんか?」。

現会長、河本氏と、創業。

そもそも斉田氏が、飲食に入るきっかけは何だったんだろうか?
「ヨーロッパの機械メーカーの日本市場開拓を手伝ったり、展示会やセミナーなどで講師を務めたりしていました。そのあと、外資系の保険会社に就職します。業界最強の営業トレーニングを受け、金融知識を学ぶことができました」。
営業力では、当時業界ナンバー1の会社だった。そのぶん、競争もはげしい。
「そのなかで結果を残していかなければいけないので力もつきます。そちらの会社では、個人・法人に生命保険のコンサルティング営業をから多くのことを学べました。ラックバッググループを設立するのは、そのあとです」。
経緯は、単純だ。
「現会長で共同経営者の河本が、ハワイアンカフェの店長でした。彼は人望もあつく、オペレーションもうまい。私がパートナーになれば、彼の”ちから”を何倍にもできると思ったんです。じつは当時、私は彼の店の常連客だったんです/笑」。
それで2人で、2007年3月に創業されるわけですね。
「そうです。六本木に小さなレストラン&バーをオープンします」。
沿革をみると、以降、次々と出店を重ねていることがわかる。
同年10月、麻布十番にフレンチレストラン「サンス麻布十番」をオープン。翌2008年9月には、横浜駅東側に「Ginger’s Beach」をオープン。2009年10月にも横浜元町に「Oriental Beach」をオープン。それからも、年に1店舗以上、オープンしている。オープンがなかったのは、2012年だけだ。
ここで特筆すべきは、坪数だろう。100坪ちかいレストランも少なくない。
「20019年秋に横浜みなとみらい新港ふ頭のハンマーヘッド2階にオープンした『COLONIAL BEACH』は約133坪です」と斉田氏。
いずれのレストランも洒落ている。
「コンセプトは、リゾートですね。会社帰りにいけるリゾートです」。なんでも、ドラマや映画の撮影につかわれることも少なくないんだそう。
「恋ダンスでも有名になったあのTVドラマでも何度か登場しています/笑」。

おもてなし日本代表。

では斉田氏は、今からどんな仕事をしていきたいと思っているのだろうか。
改めて聞いてみた。
「とにかく最初にお話しした通り、飲食というのは生産性が低いんです。それを前提にすると、会社としても成長しない。よってスタッフたちの給料もアップしないし、休みも充分には取らせてあげられない」。
生産性が低いままだと、たしかにそうなる。
「そういう意味で、生産性のアップは当然やっていかなければいけない。ただそのためにも、私は評価制度が大事であると思っています」。
「たとえば、単純な作業の評価ではなく、理念に基づいた行動ができているかを評価する『ステップアップシート』や『360度評価』といった評価制度を用意し、昇進などに用いています」。
オープンで、公平な評価制度だ。斉田氏は、仲間1人1人に焦点をあてつづける。
「先日、うちの店とそっくりな店がオープンしてびっくりしたんですが、少し流行ると、ご存知のようにすぐにコピーされてしまいます/笑」
たしかに店名までパクるのが、飲食業である。
「ですが、飲食店の重要なポイントは内装とかしくみとか、そういうのではなくて、結局は『人』であると私は思っています。良い意味で『人』のクオリティに依存した業態はコピーできません」。
企業目標は何ですか?
「私たちは、『おもてなし日本代表』を企業目標に掲げています。同時に掲げているのが『好きなことを仕事にして、そして人生の成功者になれる会社』です。いずれも簡単ではないですが、できるだけ早く実現していきたいと思っています」。
・・・・・続き
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