in-職(いんしょく)ハイパーの“飲食の戦士たち”に株式会社asoviva 代表取締役 藤田貴道氏登場。
僧侶の資格と、藤田社長。
赤坂駅近くで牡蠣をいただくならasovivaが運営するショップがオススメ。「大衆サカバ 牡蠣る。」「クラブ シュリンプ&オイスター赤坂」「牡蠣と和牛の奴隷」「赤坂元気」。いずれのショップも牡蠣を美味しくいただけると評判。
デートにオススメするなら「クラブ シュリンプ&オイスター赤坂」。「オマール海老」「天使の海老」「永遠の海老」のプリッぷりのお刺身、「ディープシーレットクラブ」や「ソフトシェルクラブ」もいただけて、主役の「牡蠣」はいうまでもなく、旨い。
のんべぇには「大衆サカバ 牡蠣る。」がオススメだろう。焼酎、飲み放題で、100種類以上のオリジナルサワーが楽しめる。牡蠣好きの店長が厳選した牡蠣に心奪われつつ、オリジナルサワーをグイグイいけばいい。
さて、今回、ご登場いただいたのは、この罪深いショップを運営するasovivaの代表、藤田社長。
話は、予想外にお寺の話から始まった。
「私は1984年、長野県松本市に生まれました。うちの実家は浄土真宗のお寺で、私は寺の次男坊です。今は、兄がお寺を継いでいますが、私も(お寺を継げる)僧侶の資格をもっています。京都にある龍谷大学に進み、そちらで資格を取得しました。みなさん、僧侶というと修行僧をイメージされがちですが、浄土真宗は、それほど厳しくありません。学生生活も一般の学生さんとおなじで、私も授業がない日は焼鳥屋でアルバイト三昧です」。
「こちらの店は、お客さんとして食べに行った時にスタッフに可愛い子がいて。それで、バイトさせてくださいって。煩悩まみれですよね(笑)」。
女の子の話は置いておいて。実は、この時のアルバイトが飲食のはじまり。この時の「縁」によって、今の藤田社長があるといってもいい。あとで教えていただいたが、これも一つの「縁起」と解釈すればいいのだろうか?
「ともかく、飲食のバイトにハマったわけですが、就職はまた別の話です」。
なんでも、お兄さんが継がない場合は藤田社長が継ぐことになっていたそう。2人のうちいずれかが継がない場合、お寺が存続できなくなるからだ。
「兄がなかなか心を決めないもんですから、私は私で、専門学校に進むことを検討していました」。
「一般には知られていませんが、僧侶のための専門学校っていうのがあるんです。お経をはじめとした実技を主に勉強する学校です。大谷大学の卒業生も少なくありません。ただ、兄が寺を継ぐ意思を固めたもんですから、急遽、別の道を探さなければならなくなりました」。
藤田社長は、あるベンチャー企業への就職が決まり、東京へ向かう。僧侶の有資格者、藤田社長は大都会にどう染まっていくんだろうか。話を前へ、進めよう。
一つ目の勲章、MVP獲得。
「私が就職したのは渋谷などでヨガ教室を運営していたベンチャー企業です。社内ベンチャーを推奨しているタイミングで、キャッチフレーズは『好きを仕事に』でした。そのフレーズに惹かれ、就職。23歳で私も社内ベンチャーの1人となって飲食店をスタートします。私が23歳ですから、2007年の話ですね」。
8月に神田に、10月に渋谷にショップをグランドオープン。
「290円均一の居酒屋です。大手の飲食チェーンが、私のあとに『290円均一』のブランドをつくって大宣伝しますが、実は、私のほうが早かったんです(笑)」。
藤田社長は、このベンチャー企業に5年勤めている。300人の社員がいるなかでMVPも獲得している。
「最初の飲食店は、うまくいきませんでした。ただ、それで終わるのではなくて、今度は、弁当事業にチャレンジします。弁当の訪問販売です(笑)」。
「最初は店頭で販売していたんですが、15時くらいになるとどうしても売れ残りがでてしまう。残り3個とかになったら買いにくいと思って、最初から多めにつくっていたからです。でも、そのまま廃棄は忍びないでしょ(笑)。それで、ある日から、売れ残りのお弁当をもってオフィスに突撃して、『お弁当入りませんか?』って始めたんです」。
ビルに飛び込み、オフィスのトビラを叩く。エリアは渋谷、赤坂に広がっていく。
「最初は『?』の人も、『え、もってきてくれるんだ!』『じゃぁ一つ』ってなり、今度は二つ、三つ、四つと広がります」。
最終的な社数を聞いて驚いた。なんと、1500社。1日に配達するお弁当は1300~1600食にのぼり、東中野にセントラルキッチンまでつくっている。そりゃ、MVPにも選ばれるわけだ。
僧侶の深い思考と、大先輩の話。
「業績は拡大していきましたが、セントラルキッチンをつくるなど、投資もしましたので黒字化までに2年かかりました。私自身、飲食に対する思考が深まった2年間です。飲食は食材コスト、人件費などの経費を抜いて利益は10%と言われていますよね。でも、それって一つの指標にすぎないと思いませんか」。
たしかに、P/Lは固定観念の一つかもしれない。ただ、飲食店を経営する上で、大事な羅針盤であるのも事実だ。藤田社長の話は、その決められた指標と、どう向き合うかということだろうか。僧侶の発想は、奥深い。
「実は、この2年間、私は大先輩にサポートいただくんです。その先輩はコールセンターの事業部のエースだった人なんですが、不遇な私をみかねて飲食の仕事をサポートしてくださいました。当時の会社はボーナスの原資が、事業部の利益の15%と決まっていました。コールセンターは儲かっていましたからエースだったその先輩のボーナスは500万円はあったと思います。でも、そういうのを捨てて、利益ゼロ、つまり、ボーナスゼロの飲食事業部へ異動してくださったんです。私がP/Lの改善などに努めることができたのも、この先輩のおかげです」。
仕事が終われば、カフェやバーで、先輩と頭を突き合わせた。自然と経営の指南を受けていたことになる。P/Lという飲食の指標に対するアイデアは、僧侶の深い思考だけではなく、この大先輩の影響で生まれたのかもしれない。
たしかに、飲食の売上高/利益率は高くない。P/Lコストでは10%が指標となっていて、今現在、これが、もっともポピュラーな数字だ。
「10%あればいい」ではなく、「なぜ10%あればいいのか」。今の指標を疑問視する経営者がでてこないと、飲食の未来は明るくならないのかもしれない。
「いずれにしても、今の私があるのは、その大先輩のおかげ」と藤田社長は目を細める。大先輩と話し合ったシーンが頭に浮かんだんだろう。
「最初は結果を残せませんでしたが、弁当事業で会社にも財産を残すこともできましたので、27歳になって会社を卒業させていただきます」。
このあと藤田社長は『ぐるなび』に転職。1年だけだったが、営業の世界にどっぷりつかっている。
「飲食」×「プロモーション」の世界を知るためだった。
・・・続き
(社長記事やグルメ情報など飲食の情報はキイストンメディアPR事業部まで)
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